名字の言

〈名字の言〉 2018年9月27日  若い世代の活躍が話題を呼び、新たなブームが到来している将棋界。

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 若い世代の活躍が話題を呼び、新たなブームが到来している将棋界。一方で、戦後最年長の41歳でプロ棋士になったのが今泉健司氏である▼氏は14歳でプロ養成機関の奨励会に所属。プロまで“あと1勝”に迫るが惜しくも敗れ、奨励会を退会する。その後、再び奨励会に入るが、またも及ばず。難局で動揺する精神面の未熟さを克服できなかったと、本紙で語っていた▼挫折の末、氏は畑違いの介護職に就いた。施設から走って飛び出す人を追いかけ、認知症の人を相手に奮闘する。“予想もつかない出来事”に日々、対応する中で、状況の変化や感情に翻弄されない精神力が磨かれた。そして再び将棋の世界へ。アマチュアの大会で次々とタイトルを奪取し、2014年12月、ついに編入試験を突破してプロになった▼人生、思い通りにいかないこともある。一見、遠回りに思えるような中にも、必ず学べることがあるものだ。たとえ状況は変わらなくても、自分の心を変えることはできる。自らの可能性を諦める必要はない▼どこにいようと成長し続ける人は輝く。いわんや私たちには信心がある。池田先生は「あらゆる労苦は、仏の生命を勝ち取る力と変わる。仏法に無駄はない」と。“今いる所が成長の本舞台”と決め、はつらつと挑みたい。(通)