何ごとも、恵まれた立場にいると、いつしか『勝負』の厳しさがなくなる。むしろ厳しい条件、環境にあったほうが、努力を重ね、上達していく。真剣であるし、結局は、恵まれた人よりも成長し、追い越していく。信心でいえば、厳しいところで戦うほど功徳をうけ、成仏へと境涯を大きく開くことができるのである。
信心は人の年齢でもなく、地位でもない。信仰の年数だけでもない。みずみずしく仏法を求め、信心を深めていく姿は、だれ人であれ、たえず大聖人が御照覧であられる。ゆえにいかなる立場であっても、いかなる老齢となっても、信心の心だけは清らかに、生き生きと法を求め、妙法を唱えていくことだ。ここに、御本仏の称賛を受け、かぎりなく幸の境涯を深めゆく要諦がある。