2001年の開学から17年を迎え、発展を続けるアメリカ創価大学(SUA)。各国から学生が集い、国際性豊かな教育が行われている。アメリカ以外の国から入学した留学生の比率は40%を超えており、全米の大学の中で最も高い。奨学金の充実度や教育水準の高さでも優れた評価を得ている。また、多くの卒業生がハーバードやスタンフォード、ケンブリッジなど名門大学の大学院に進学。SUA出身者は現在、各国の学術界や法曹界、教育界のほか、国際機関等で活躍する。ここでは、「世界市民」の学府として、最高の学びの舞台を提供するキャンパスの様子を“紙上ツアー”として紹介する。
SUAに入ってすぐ目に入る、ドーム型の屋根。この特徴的な建物がファウンダーズホール(本部棟)だ。
天井まで吹き抜けのエントランスホールが、来学者を迎える。
名称が「ファウンダーズ(創立者たち)」と複数形になっていることの意義について、かつて創立者・池田先生はつづった。
「それは、先師牧口先生、恩師戸田先生の創価教育の理想に続いた私と共に、今日に至るまで、陰に陽に尽力してくださったすべての方々を顕彰するためであると、私は思っている。
SUAは、民衆立の大学であり、民衆のための大学だ。建学に汗を流された一人一人が皆、SUAの偉大な創立者なのである」
ファウンダーズホールの前に広がるのは、日差しを浴びて輝くピースレイク(平和の池)。
卒業式の際は、ほとりにある平和の噴水を背に記念撮影を行う。ここにある白い大理石の壁をはじめ、SUAのさまざまな場所に大学への寄付者の名前が刻まれている。
近くにある体育館は、トレーニングルームなど設備が充実。グラウンドやオリンピック仕様のプール、テニスコートもあり、クラブ活動なども活発に行われている。
平和の噴水脇にある階段を上ると、左にガラス張りの「創価芸術センター」が見えてくる。2011年に完成。卒業式の会場であり、地域に開かれたコンサートホールとしても使用されている。
また、キャンパスでは「科学棟」の建設が進む。20年の完成に合わせて、生物学、数学などを学ぶ新コース「生命科学」や、アメリカの医学系専門職大学院への出願条件を満たす「医学大学院進学準備プログラム」がスタートする予定だ。
キャンパスの中心には睡蓮が咲く「友情の池」がある。その周りを取り囲むように立つのが池田図書館(ダイサク・カネコ・イケダ・ライブラリー)と教室棟だ。
図書館には24時間使用可能な自習室があり、試験や課題の提出に向け、多くの学生が勉学に励む。
教室棟は「マータイ棟」「ポーリング夫妻棟」「ガンジー夫妻棟」で、人類に貢献した偉人の名が冠されている。
授業は少人数制で、ディスカッションが中心。古典を題材に多角的な見方を身に付けるもの、学生自らが研究テーマを立て実地調査を行うものなどがある。
教室と教員のオフィスは同じフロアにあり、学生は教員に対し、気軽に質問や相談をすることができる。
カフェテリア(食堂)に入ると、学生や教職員のにぎやかな語らいが広がっていた。
ここでは、各自が好きな料理を選んで食べることができる。サラダバーも設置され、栄養への配慮は万全。スイーツも多く用意されている。世界各地の料理が提供されており、学生たちから好評だ。
「栄養バランスも良く、健康的で、食べるのが楽しみになるような食堂にしていただきたい」――“学生第一”との創立者の思いが反映されている。
SUAは全寮制であり、学生は大学の近くに自宅があっても4年間、共同生活を送る。
学生寮は全部で8棟。基本的に学年ごとに分かれている。1年次はルームメートと、一つの部屋で共同生活を送り、2年次以降は個別の部屋に住みながら、バスルームを共有するのが一般的である。
多彩な出身国の学生が住む寮は“地球の縮図”。最初は互いの文化や習慣、考え方の違いに戸惑うことも多い。しかし、生活を共にし、交流を重ねる中で、生涯にわたる友情を築くことができる。寮それ自体が、国際性を培う最高の場だ。
新たな学生寮の建設も進んでおり、SUAはさらに発展を続けている。
SUAは、アメリカ西海岸のカリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市にある。ロサンゼルス国際空港からは、車で1時間ほどの距離だ。
大学の周辺には閑静な住宅街が広がる。キャンパスからは雄大な山々を望むことができ、有名なラグナビーチにもほど近い。
学生の利便性を考え、近くのショッピングモール等へ買い物に行くためのシャトル便が運行されている。
※6月6日付「創価新報」の動画ではSUAを紹介しています。別掲のQRコードでアクセスできます。