法悟空 内田健一郎 画 (6349)
一九八三年(昭和五十八年)五月、SGIは国連経済社会理事会(ECOSOC)の、協議資格をもつNGOとして登録された。
また、この年の八月八日、SGI会長である山本伸一に「国連平和賞」が贈られ、東京・渋谷区の国際友好会館(後の東京国際友好会館)で、その伝達式が行われた。
これには、明石康国連事務次長をはじめ、国連広報センターのエクスレイ所長らが出席した。デクエヤル国連事務総長からの感謝状には、授賞の理由が、こう述べられていた。
「国連憲章の目的及び原則を支持するために、広範な運動を展開し、また、諸国家間の相互理解と友好の促進のために不断の努力を続けてきた」「国際緊張の緩和並びに軍縮、特に今日の最重要課題である核軍縮の推進のために、建設的な提言を行ってきた」「国連の広報活動に対して、あなたの指導のもとに行われた学会並びにSGIの多大な貢献は、国連の目的と理想への一般市民の支持を強化する力強い援助となった」
道は遠い。しかし、歩み続ける。その粘り強い行動が、世界に確かな平和の波動を広げていく。世界中で、人びとが核兵器廃絶を叫んでいけば、必ず時代は変わっていく。
八九年(平成元年)には、国連難民高等弁務官事務所から、伸一に、長年の難民救援活動への貢献をたたえ、「人道賞」が贈られた。
その折、彼は、こう述べている。
「今回の『人道賞』は、私個人に与えられたものではない。これは、学会の平和委員会の活動と連動し、青年部が仏法者として進めてきた献身的な人道活動の結実であり、私どもの活動に対する一つの世界的な評価と受けとめたい」
創価学会の平和運動の源流は、初代会長・牧口常三郎の、国家神道を精神の支柱に戦争を遂行する軍部政府の弾圧との戦いにある。思想統制のために、神札を祭れという軍部政府の強要を、牧口は、断固として拒否し、四三年(昭和十八年)七月、弟子の戸田城聖と共に逮捕・投獄されたのである。