【御書本文】
此文は富木殿のかた三郎左衛門殿大蔵たうのつじ十郎入道殿等さじきの尼御前一一に見させ給べき人人の御中へなり、京鎌倉に軍に死る人人を書付てたび候へ(佐渡御書p956)
【通解】
この手紙は、富木殿のもとへ送り、四条金吾殿、大蔵塔の辻の十郎入道殿ら、桟敷の尼御前、その他これを見ていただくべき人々、一人ひとりにあてたものです。
京都と鎌倉の合戦で亡くなった人々の名を書き付けて送ってください。
【先生の指導から】
命にも及ぶ大法難、大闘争の連続のなかにあって、大聖人が、どれほど大きく、一人ひとりの門下を包んでおられたか。
一人ひとりのことを胸の奥深くに入れながら、どれほどこまやかに手を打ち、温かく励まし、皆に張り合いを与えていかれたか。その御振る舞いの一端を拝する思いである。
大聖人の大慈悲の御振る舞いがあったればこそ、弟子たちも、あれほどの大難を、ともに乗り越え、勝ち越えることができたのである。