われわれにとって大事なことは、なんといっても勤行である。信心の縮図は勤行に尽きる。たくさんの先輩のなかで今日の栄冠を勝ち得た人は、勤行をたゆまず、忍耐強くやりきってきている。それに反して、要領のいい、はったりの人は勤行の実践をおろそかにしていた。一日の活動の源泉である勤行を避けてしまったならば、いくら作戦を練ろうが実るはずがない。勤行こそ宿命転換の第一歩の原動力であり、勤行を真剣にやっている人は顔色もいいし、怨嫉など起こさないし、会うたびごとに成長している。
勤行は前進のためのエンジンだ。それを根幹としてリズム正しく、指導どおり戦っていくならば、すべての戦いにかならず勝ちぬいていけることを確信していただきたい。
仏法の世界は不思議なものです。本気になってぶつかれば、ちょうど鐘をうてば響くように、必ず、自分の生命に実感としてあらわれるものがあるのです。観念的な、責任のない、いいかげんな姿勢であれば、御本尊に響くものもそれだけであり、その人の生命、生活のうえにあらわれるものも、それだけにしかすぎません。
題目を唱えておかないと長い人生において非常に困ることになる。唱えられるときに唱えておくことだ。
たとえていえば唱題は貯金であり、充電である。人は死ぬまでさまざまな苦悩に直面するものだ。思ってもみなかったような問題に直面したときに、題目を唱えていた人と、唱えている人は変毒為薬し、唱えていない人は奈落に落ち込んでいく。どんなに頭がよくても、偉くなっても題目を唱えている人に比べればかなわない。題目を唱えていれば、ぜんぶ人生が開けていくのである。