戸田先生は、弟子の姿勢について、こう訴えておられた。「師匠の話を全身で受け止め、信仰の上でも、生活の上でも、信・行・学を実践していくべきである」
「牧口先生の話を話として聞いては駄目で、耳でなく、また頭でもなく、体で聞くという態度でなければなりませぬ」
私もまた、戸田先生が言われる一言一句を全身で受けとめ、そのまま実践してきた。すべてを実現した。先生は、周りの幹部に言われていた。
「大作を見よ!」
「大作は一を聞いて百を知る。お前たちは何十ぺん聞いてもわからない。格段の差だ」
先生が、どれほど私を大事にしてくださったか。私は体が弱く、医者からも30歳までしか生きられないと言われた。先生は、「大作さえ健康でいてくれたら! 」と何度も言っておられた。
ある時は、私の妻の実家を訪れて、“大作には本当に苦労ばかりかけてしまった。
大作がいなければ、学会の将来は真っ暗だ”と大泣きして語られた。こういう師弟だった。師弟不二だった。
どんなことがあっても、大作を丈夫にして、第3代の会長にしたい ── これが先生の思いだった。昭和32年(1957年)の大阪事件で、私が大阪へ向かう途中、羽田空港で先生は言われた。
「もしも、お前が死ぬようなことになったら、私もすぐに駆けつけて、お前の上にうつぶして一緒に死ぬからな」本当にありがたい師匠であった。
創価の三代の師弟ありてこそ、学会はここまで世界的になった。あらゆる迫害をはねのけて、未曾有の大発展を遂げたのである。この一点を断じて忘れてはならない。未来のために、強く訴えておきたい。