池田先生ご指導

「よし!」と決めた瞬間、全神経が、ぱーっと、その方向に向く。「だめだ」と思えば、その瞬間に、全神経が萎縮し、本当に「だめ」な方向に向かっていく。

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松下幸之助
「初日」で決まる
--初めての出勤の日、家に帰って家族に何と報告するか。
たとえば「あまりたいしたところじゃない」
「期待はずれだ」と嘆くか。
それとも「期待していた以上にいいところだ」
「入れてよかった!」と喜ぶか。
この一点で将来に天地の違いが生まれる。
もちろん後者であるべきだ、と。

といってもそれは単なる現状肯定ではない。
そもそも、初めからすべて思い通りの現実などあるはずがない。
しかし、「いい職場だ!」「働きがいがありそうだ!」「一生懸命がんばるよ」
と、はつらつと言うことによって、それが自然に自分の決意となり、「実際に良くしていこう」という前向きな方向に心が定まっていく。
また、そう言いきっていけば、家族や周りの人も、ほっとする。安心を与える。皆が気持ちいい。
そのように、お世話になった人たちへの配慮ができる人、誠実さと熱意をもった人は、どこにあっても間違いなく「その場所を背負って立つ人」になる。
かりに、内心では「期待はずれだ」との気持ちがあっても。あえて「すごいところだ」「私の会社は黄金の場所だ」と自分に言い聞かせていく、人にも語っていく--そうすることによって、自分の一念が変わる。
一念が変われば、一切が、その方向に動き始める。
「よし!」と決めた瞬間、全神経が、ぱーっと、その方向に向く。「だめだ」と思えば、その瞬間に、全神経が萎縮し、本当に「だめ」な方向に向かっていく。
この微妙なる一念の劇を知っていただきたい。
心の置き方ひとつ、心の向きひとつで、自分も環境も大きく変わる。
その実相を完璧に説ききっているのが、仏法の「一念三千」の法理である。
強き一念の力によって、自分自身を、周囲を、そして国土をも回転させられる。
その「武器」を「秘術」を、もっているのが諸君なのである。これほどの宝はない。