池田先生ご指導

題目は、苦悩を歓喜に変えます。さらに、歓喜を大歓喜に変えます。ゆえに、嬉しい時も、悲しい時も、善きにつけ、悪しきにつけ、何があっても、ただひたすら、題目を唱え抜いていくことです。これが幸福の直道です」

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「皆さんには、全員、人生の大勝利者になっていただきたい。
では、そのための要諦は何かについて、今日は少しお話ししたいと思います。
それは、第一に、お題目です。
健康ということも、勇気も、智慧も、歓喜も、向上心も、あるいは、自分を律するということも、生命力のいかんで決まってしまうといえる。その生命力を無限に涌現しゆく源泉こそが唱題なんです。ゆえに、唱題根本の人には行き詰まりがない」
皆、題目の力は教えられてきたし、それぞれが、体験もつかんできた。しかし、唱題の意義を、伸一から聞くことによって、さらに確信を深めていった。
「ともかく、日々、何があっても、題目を唱え抜いていくことです。題目は宇宙の根本の力です。朝な夕な、白馬が天空を駆け巡るように、軽快に、すがすがしい、唱題の声を響かせていくんです」
すると、女性のメンバーが尋ねた。
「先生。お題目を唱える時には、どういう気持ちで御本尊に向かえばいいのでしょうか」
伸一は、ニッコリと頷きながら答えた。
「仏と相対するわけですから、厳粛な気持ちを忘れてはいけませんが、素直な心で御本尊にぶつかっていけばいいんです。御本尊は、大慈悲の仏様です。自分自身が願っていること、悩んでいること、希望することを、ありのまま祈っていくことです。
苦しい時、悲しい時、辛い時には、子どもが母の腕に身を投げ出し、すがりつくように、『御本尊様!』と言って、無心にぶつかっていけばいいんです。御本尊は、なんでも聞いてくださる。思いのたけを打ち明けるように、対話するように、唱題を重ねていくんです。やがて、地獄の苦しみであっても、噓のように、露のごとく消え去ります。
もし、自らの過ちに気づいたならば、心からお詫びし、あらためることです。二度と過ちは繰り返さぬ決意をし、新しい出発をするんです。
また、勝負の時には、断じて勝つと心を定めて、獅子の吼えるがごとく、阿修羅の猛るがごとく、大宇宙を揺り動かさんばかりに祈り抜くんです。
そして、喜びの夕べには『本当にありがとうございました!』と、深い感謝の題目を捧げることです。
御書には、『朝朝・仏と共に起き夕夕仏と共に臥し……』(七三七ページ)と仰せですが、題目を唱え抜いている人は、常に御本仏と一緒です。
それも今世だけでなく、死後も、御本仏が、諸天・諸仏が守ってくださる。
だから、生命の底から安堵できるし、何も恐れる必要がない。悠々と、人生を楽しみながら、生き抜いていけばいいんです。