名字の言

〈名字の言〉 2018年4月14日

盆や正月でもめったに帰省しない息子が突然、実家に顔を出した。「仕事で近くに来たから」。母は「もう、事前に連絡してよ」と小言を並べながら、手早く食事をこしらえた▼うつむいたまま、箸を付け、「うまい」とつぶやく息子は涙目だった。母は“悩みに直面しているな”と察したが、黙っていた。食べ終えた息子は、見違えるほど元気になって帰っていった▼母は、息子が小学生の時に書いた作文を、今も忘れていない。「お母さんのごはんには何が入っているんだろう。とにかく力が出ます」。以来、息子が行き詰まった時は、たくさんの料理を振る舞い、「こんな時はおいしいもの食べて、大声で笑って、また頑張るんだね」と言って、後は何も聞かなかった▼息子も息子で、そうした日は決まって母が深夜まで唱題することを知っていた。思春期の頃は素直に感謝できなかったが、それでも親子の心は通じ合っている▼人生は波瀾万丈。この春、進学や就職で親元を離れた人にも、挫折はあるだろう。その時、無償の愛を注いでくれる存在が、どれほど大きな支えとなるだろうか。「人となりて仏教を信ずれば先づ此の父と母との恩を報ずべし」(御書1527ページ)。父母への感謝を忘れない人は、必ず苦難を勝ち開いていける。(白)

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