名字の言

〈名字の言〉 2018年10月8日  芸能を体得するには、未熟なうちから芸の世界の真っただ中に身を置くことだ。

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芸能を体得するには、未熟なうちから芸の世界の真っただ中に身を置くことだ。周囲の嘲笑にもめげず、いちずに修練を積む。そうすれば技能は達し、無比の名声を博するだろう――そんな意味の文章が『徒然草』にある▼初めから最前線に身を置き、周囲の評価などに一喜一憂せず、ひたすら努力する。この姿勢は、“成長しよう”と挑む全ての人に通じる。真に問われるのは技量の高さではなく、終始一貫した「志の高さ」であろう▼怠惰な生き方を変えたいと、ある青年部員が弘教を決意した。これまでの自分を最もよく知る友人に真っ先に対話した。青年いわく、「いわば一番苦手な人。でも、そこに挑戦することが一番成長できると思って」▼対話をすると、友人からは「人に勧める前に、自分が変わってみろ」と一蹴された。ところが、青年が祈った通りの定職を勝ち取り、快活に生きる姿に、友人の心が動いた▼ある日、友人は一緒に勤行をするため、青年の自宅へ。仏壇の前には、祈念する項目を書いた紙が。その最初に「○○君(友人の名)と共に信心に励み、恩返しする」とあった。後日、友人は進んで入会した。「自他共の幸福を」という真心が通じたのだろう。「志」を立てる。そこから人生は大きく開けていく。(代)