名字の言

〈名字の言〉 2018年7月28日  4歳から18歳の子どもたち150人が所属する米国の合唱団「ワン・ボイス・チルドレンズ・クワイア」。

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4歳から18歳の子どもたち150人が所属する米国の合唱団「ワン・ボイス・チルドレンズ・クワイア」。公開中のパフォーマンス動画の再生回数は、1億回を超える▼美しい歌声に、さぞ厳しい練習を重ねたのだろうと思いきや、同合唱団の練習会は週1回の2時間だけという。普段はインターネットを利用し、それぞれで個人練習に励む▼指導に当たるのは音楽監督の福田真史氏。氏が合唱用に作成する曲は、構成の複雑さから“子どもが歌うには難しすぎる”と指摘されることも。だが、あえて曲のレベルは下げない。氏は「心から信頼して様々な機会を与えれば、彼らは驚くほど速く成長していきます」と語る(『君だけの声を聴かせて』PHP)▼子どもたちの秘められた力を引き出す鍵は何か――その一つの答えが「信頼」だろう。“まだ子どもだから”と軽く見てしまえば、その未来を狭めることにもなりかねない。子どもの未熟さは可能性そのもの。だからこそ、より真剣に誠実に関わる。それは大人の側の挑戦でもある▼戸田先生は「論語に『後生畏るべし』という言葉がある。君たちは『後生』だから、先生である私より偉くなれ」と。若き友の未来を心から信じつつ、真心の励ましを送り、共に成長する夏にしたい。(誼)