聖教新聞信仰体験
かって私は、県立高校の日本史の教師をしていました。教員になって三年目のことでした。担任をしていたクラス運営が行き詰まり、まさに「学級崩壊」という状態に。
一生懸命、取り組んでも何ら解決の糸口が見えません。深夜まで題目をあげ、あらゆる方策を試み、先輩にも指導を受けました。しかし、やればやるほど、どんどん離れていく生徒の心…。
これまで培ってきたものや自信というものが、音を立てて崩れていく毎日でした。
そんななか、悪戦苦闘をし、必死で題目をあげている時、命の奥からわきあがってきた思いがありました。それは「私も苦しけれど、きっと彼らも、もっと苦しんでいるんだ」との思いでした。
「生徒はこうあるべきだ」と押し付けていた自分。教師としての体面や体裁にこだわっていた自分。題目をあげながら、そんな自分を深く反省したとき、初めて生徒一人ひとりが本当の意味で私の中に入り、素直に受け入ることができたのです。そして心から生徒だちを思いやることができました。
不思議なもので、私が変わる過程で、クラスも見違えるほど変わっていきました。