大阪北部地震から10日となった。ガスなどのライフラインは復旧したが8000棟を超す住宅の被害は深刻だ。被災者の一日も早い生活再建を祈らずにはいられない▼今回の地震で、各企業の「BCP」と呼ばれる取り組みの重要性が、さらに増したといわれる。これは、災害に直面した際、早期に復旧させるため、事前に準備する事業継続計画のこと。東日本大震災を機に導入が進んできた▼ある企業では、東日本大震災で現地の生産拠点が被災して以来、災害対応を見直してきた。今回の地震では発生後、即座に従業員の安否を確認。部品調達先の被災状況の情報収集を行った。特に問題のないことが分かり、迅速に企業活動を再開できたという(「京都新聞」20日付)▼災害への備えの重要性は企業に限ったことではない。家具の耐震補強、避難場所と経路の確認など、個人でできる対策がある。阪神・淡路大震災を経験した友は、地震が起きた時、身の安全を守るため、どう行動するかを具体的に決めていた。それが今回の地震で生きたと語っていた▼いざという時には、とっさの判断が必要だ。その判断をしっかりと支えるのが、平時の入念な備えにほかならない。防災は常に「自分」の問題。時を逃さず、今こそ行動を起こしたい。(嶺)