【御書本文】
客来つて共に嘆く屡(しばしば)談話を致さん(立正安国論p17 n25)
【通解】
あなたが来てともに嘆くので、今これについて語り合おうと思う。
【先生の指導から】
ともに社会の混迷を憂えるという共通の土台に立って語り始められております。
そして、悲劇を生み出す原因は何か。悲劇を止める術はあるのかと、真摯な議論が交わされるなかで、最後は、ともに心を合わせ、人々のため、社会のために行動することを誓う場面で結ばれているのであります。
宗教の本来の使命は、「生命の尊厳」という人類の普遍的な地平に、人間一人一人の心を立ち返らせ、「平和の文化」を構築していくためのエートス(道徳的気風)の源泉となり、それを確立することにあることが示されております。この「対話」が、”人間精神の眼”を開き、人々を狭隘な偏見と憎悪の呪縛から解き放つものであるならば、平和的共存の生き方を社会に定着させ、確かな時代の思潮へと高めゆくものこそ「教育」であります。