信頼の大地に幸の花園を
法華経の薬草喩品に、「人華」という美しい一語がある。
アフリカの人道の厳窟王ネルソン・マンデラ翁を五百人の 青年たちと熱烈に歓迎した折、この言葉を通して語り合った。
色とりどりの花々のごとく、「人華」という人間性の花が個性豊かにして平等に、繚乱と咲き誇る未来を共々に!と。
深く頷かれた、あのマンデラ・スマイルが温かく蘇る。
薬草喩品では、あらゆる草木に分け隔てなく降り注ぐ慈雨のように、妙法の大功力は「無数千万億種の衆生」を差別なく潤し、仏の生命を平等に開花させていくと明かされている。
多様性の尊重と共生という人類の課題を照らす光である。
七十年前、戸田先生が「地球民族主義」の理念を提唱された当時、先生と一緒に深く拝した御聖訓の一節がある。
「我が身に本より、自の仏界、一切衆生の他の仏界、我が身に具せり」わが身には、もともと、自分自身の仏界とともに、一切衆生の仏界までも具わっているのである、と。
一人一人の生命が、どれほど尊厳であり、どれほど壮大な広がりを持っていることか。全民衆、全人類、そして全宇宙の仏性ともつながっている。創価の地球民族主義は、かくも深遠な、かくも確固たる生命観に依って立つのである。
ゆえに、いかなる事態にも、我らは怯まず諦めず、自行化他の題目を唱え抜き、立正安国の対話を貫くのだ。仏界の命を呼び頭し、結び合い、地球上に仏国士を築きゆくために!
妙法の慈雨を浴び、変わっていかない人はいない。反発さえも、仏の種が芽吹き、幸の化が育っていく兆しといえる。
今いずこにも、尊き広布の父母たちが汗と涙で耕してきた信頼の大地が広がり、新たな地涌の人華が咲き誇っている。
「信心のこころ全ければ、平等大慧の智水乾くことなし」 大きな大きな賢者の心で、友の生命を満々と潤す対話を!
仏種を蒔く
誇りに燃えて
語り切れ
いまだこりずと
明日の人華へ