【御書本文】
疑つて云く日蓮を正と為す正文如何、答えて云く「諸の無智の人有つて悪口罵詈等し及び刀杖を加うる者」等云云(法華取要抄p334)
【通解】
疑って言う。日蓮を正しいとする文は何か。答えて言う。勧持品第十三に「諸の無智の人の、悪口罵詈等し、及び刀杖を加うる者有らん」等とある。
【先生の指導から】
非常に簡単な仰せに思えるかもしれない。しかし、ここに非常に重要な核心がある。
ここをわからない人間は、愚かにも大聖人を批判した。難を受けるのは、他宗の僧や為政者を、あまりに激しく攻撃しているからだ─と。
それだけではない。大聖人は人気がないから、悪口を言われているから、権力ににらまれているから、ついていくのはやめよう─そうやって臆病にも、また卑劣にも、正義の信念を捨てて、退転していった人間もいたのである。
権力者の一味は、大聖人一門が「悪事を働いている」と騒ぎたてた。それこそ大ウソであり、正しい人をおとしいれようとするデッチ上げであった。あげくの果てに、真実を叫ぶ大聖人を闇に葬り去ろうと流罪まで行われた。まさに魔性の働きである。本当に人間の世界は恐ろしい。