名字の言

〈名字の言〉 2017年3月20日

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 取材の帰り道、激しい雨に降られた。次の予定が気になりつつも雨宿り。雨脚が弱まり、ふと空を見上げると、空には見事な虹が。慌ただしい日常にあって胸のすく思いがした▼虹は、太陽の光が雨粒の中で反射・屈折することでできる。雨が降っても、空が雲におおわれていれば、虹は出ない。虹が現れるには、太陽の光が差し込んでくることが必要なのだ▼進学・就職の季節。なかには志望とは異なる道に進む人がいるかもしれない。だが雨の中でも、ひとたび光が差し込めば、虹は生まれる。その光こそ、腐らず、焦らず、前進し続ける「負けじ魂」ではないだろうか▼壮年の夢は「世界に羽ばたくこと」だった。4畳半一間で家族6人が暮らす貧乏のどん底。家計を支えるため、大学も中退した。それでも夢を諦めなかった。発電設備関連の仕事に携わる中で、工夫を重ね、数々の特許を取得。その実績が高く評価され、昨年、ネパール工科大学の客員教授に迎えられた▼日蓮大聖人は、たび重なる困難を乗り越えた門下の四条金吾を「極めて負けじ魂の人」(御書986ページ、通解)とたたえた。自らが目指す山々への途上には、厳しい嵐の日もあろうが、やまない雨はない。「負けじ魂」を燃やして前進する人生に、燦然たる勝利の虹は輝く。(芯)