「なぜ、不惜身命の信心が大切なのでしょうか」
ある時、私は戸田先生にこう質問したことがあります。
先生答えは明快でした。
「人間の業というか、社会は複雑で、矛盾だらけである。どこにも、万人の幸福への根本的な道はない。
そのなかで、日蓮大聖人の仏法は、人間の根本的な宿命転換の方途を示されている。常幸我浄という、永遠の所願満足の生命の軌道を教えてくださっている。
これ以上の究極の人生の道はない。だから、信心だけは命をかけてやって悔いがないのだ」
戸田先生にお仕えして六十余――。本当に恩師のおっしゃる通りです。師の教えのままに、世界広宣流布に身命を捧げてきた私の胸中は、「不惜の喜悦」に満ちあふれています。この使命の無上道を、私は今、青年に伝えたい。
仏法の真髄は、どこまでも不惜身命、死身弘法の精神にある。命を惜しまず、広宣流布に進みゆく行動にあります。