名字の言

〈名字の言〉2019年12月24日 「時計の針が/前にすすむと『時間』になります/後に進むと『思い出』になります」

 「時計の針が/前にすすむと『時間』になります/後に進むと『思い出』になります」――劇作家の寺山修司はそう表現した(詩「思い出の歴史」)。一年を振り返り、どれだけ「幸福な思い出」を刻めたか▼「最高の出発になりました」と語る壮年がいる。2歳の時、両親が離婚。父方の実家に引き取られ、祖父と祖母を「父ちゃん、母ちゃん」と信じた。多感な中学時代に事実を知る。“捨てられた”と思った▼投げやりになり、社会に出ても職を転々。それが11年前、学会に入って一変した。同志と触れ合い、祈るうちに、親への“恨み”が“感謝”に変わった。親がいてこそ自分はある。おかげで学会に出合い、人に尽くすようになれた、と▼今夏、そんな彼のもとに父から連絡が。「すまん。でも、お前のことを思わなかった日は、一日もなかった……」。声を詰まらせながら、そう語る父。再会し、対話を深めると、父は「お前と同じ哲学で生きたい」と。先月の入会記念勤行会では、二人で決意を発表した。「親子で人間革命の競争をします!」▼仏法は「現当二世」を説く。今を真剣に生きる時間が未来を輝かせる。過去の「思い出」さえ全て価値に転じていける。信仰を胸に進めば、希望は広がり続ける。壮年の笑顔を見て、その確信を深めた。(誠)

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