一歩深いところに
人間である以上、欲望との追いかけっこは、一生涯やまぬかもしれぬ。
もし、そうだとすれば、人間は永久に確たる幸福を得られないことになる。
だが、そのなかにも、もう一歩深い次元に目を開いたとき、人生の尽きない幸福の実体があると思う。
これを私は“絶対的幸福”と呼びたい。それに対して、たんに欲望を充足させる、
浅い幸福感は“相対的幸福”になる。
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他に左右されない幸福
自己に立ちかえり、自己の成長と内的充実を目指す生き方、そして、生命の内奥からあふれる幸福感は、他によって左右されることはない。
これを、私は、“絶対的幸福”と呼びたい。
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長続きしない幸福感
おいしいものを食べたい、すばらしい車を手に入れたい、広い家がほしい等々の欲望が満たされたとき、そこに人びとは幸福を感ずる。しかし、それは必ず、その対象によって決定される幸福である。しかも、その幸福感は、けっして永続するものではない。
一つの欲望が達せられると、そこでまた新しい欲望がわいてきて、その追求のために、 あくせくと努力を重ねることになる。