池田先生ご指導

九界の生命は、実は私達自身の中にある生命原理なのだということです。ただ因縁によって種々の差別の相を現出しているに過ぎない。

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九界の生命は、実は私達自身の中にある生命原理なのだということです。ただ因縁によって種々の差別の相を現出しているに過ぎない。
根本は同じ生命から発現したものである。そこで仏界という究極的な自覚者の世界になりますと、これまで、九界の生命は、低い方から高い方へ向かって段階的に進んでくる差別の世界と考えられていたのが、そうではなく、本来の生命の理法であり、それぞれ必要な役割を持って機能している全体なのだとなります。

したがって、仏界の英知に統御されるなら、九界は、それぞれそのまま、仏界の働きとなってくるのだとだれます。そこで九界の生命は、仏界の英知に統御されて初めて自己の役割を実現できるのであり、仏界の生命は、九界の働きの中において、自分の役割を実現するものとなります。つまり、九界は、自己の中に仏界への契機を持ち、仏界も自己の中に九界への働きかけの契機を持つものであります。例えば地獄の生命も、その苦悩そのものを媒介として仏界へ向かって転換してゆくのであり、仏界も、自己の内なる地獄の痛みを感じることにより、生命の諸矛盾を解決すべく九界を統御するのであります。
この不思議な生命の理法を構造的に明かしたのが、、十界互具論であります。