今、小説をはじめ、多くの原稿に向かう胸から離れないのは、わが尊き同志の幸福であり、勝利である。
すべての勝利は、広宣流布のためにある。
友よ、断じて勝て!
友よ!断じて負けるな!
私は、懸命に祈り、必死に呼びかけながら、次の五十年の完勝への指揮を執っている。
わが疾風怒濤の青春は、いな、わが波乱万丈の生涯は、偉大なる師・戸田城聖先生と共にあった。
その先生が、生命を削るようにして、私に峻厳に打ち込んでくださったご指導の一つは、「戦いは迅速であれ!」という鉄則であった。
広宣流布とは、仏と魔との熾烈な闘争だ。邪悪との戦いに逡巡があってはならない。
かのアレキサンダー大王を謳った詩には、「傲慢な人びとを粉砕せよ」と、烈々たる叫びがあった。
戸田先生は、重大な革命児の使命を担いながら、一旦緩急の時に、惰性の心で出遅れた者がいたら、「『遅参其の意を得ず』だ!」と、それはそれは厳しかった。
「まことの時」に、決然と立ち上がり、迅速に戦えるかどうかが、一切の勝敗を決するからだ。
古代ギリシャの弁論家デモステネスは訴えている。
「事をなすべき好機というものは、われわれの のろまさと言いのがれとを待っていてくれるものではない」
リーダーは、絶対に臆病であってはならない。いかなる困難な激動下でも、厳然と指揮をとり、勇敢に先陣を切って戦い抜くのだ!
「賢者には悲劇など存在しない。彼らがいると周囲でも悲劇は起きなくなる」とは、ベルギーの詩人メーテルリンクの名言である。