「我々の生命には仏界という大不思議の生命が冥伏している。この生命の力および状態は想像もおよばなければ、筆舌にも尽くせない。しかしこれを、われわれの生命それ自体も冥伏せる仏界を具現できるのだと説き示したのが、この法宝品の儀式である。すなわち釈迦は宝塔の儀式をもって、己心の十界互具、一念三千を表しているのである」
「初めから立派すぎたのでは人々の中に入っていけないから、われわれは仏法をを弘めるためにわざわざ貧乏や病気の姿をとって生まれてきたんだよ」「人生は芝居に出ているようなものだよ」
「大革命をやるのだ。武力や権力でやる革命ではない。人間革命という無血革命をやるのだ。これが、本当の革命なのだ」
「わかりたい、わかりたい」と独り言を言われて独房の中を歩きながら、寝ても醒めても法華経の原文と格闘された。
「夢でもない、現でもない…時間にして、数秒であったか、数分であったか、それとも数時間であったか、計りようがなかったが、彼は、数限りない大衆と一緒に虚空にあって、金色燦爛たる大御本尊に向かって合掌している自分を発見した」
「これは、嘘ではない! 自分は、今、ここにいるんだ! 彼は叫ぼうとした時、独房の椅子の上に座っており、朝日は清らかに輝いていた」
「今、眼の前に見る法華経は、昨日まで汗を絞っても解けなかった難解な法華経なのに、手の内の玉を見るように易々と読め、的確に意味が汲み取れる。それは遠い昔に教わった法華経が思い出されてきたような、不思議さを覚えながらも感謝の想いで胸がいっぱいになった」