〈小説「新・人間革命」〉 誓願 九 2018年4月4日
創価学会の平和運動は、仏法の生命尊厳の思想を人びとの胸中に打ち立て、ユネスコ憲章に謳われているように、「人の心の中に平和のとりで」をつくることを基調としている。
法華経の精髄たる日蓮仏法には、人間に内在する「仏」の生命を顕現し、悪の心を滅して善の心を生じ、自他共に幸福を確立していく方途が示されている。学会は、日々、その教えを実践し、一人ひとりが人間革命に励み、苦悩の宿命を転換するとともに、社会建設の主体者となって、はつらつと生命尊厳の哲理の連帯を広げてきた。
平和とは、単に戦争のない状態をいうのではない。地球上のあらゆる人びとが、核の脅威や飢餓、貧困、差別など、人間を脅かすあらゆる恐怖や不安から解放され、生きる喜びと幸せを実感できてこそ、真の平和である。創価学会員には、まさに、その歓喜と幸福の人生の実像がある。
関西青年平和文化祭では、五千五百人の来賓を代表して、広島市の荒木武市長と長崎市の本島等市長があいさつした。
荒木市長は、「世界で唯一の戦争被爆国である日本は、核廃絶への世界の先駆となっていく使命がある」との、山本伸一の主張を紹介した。そして、それは、まさに「ヒロシマ・ナガサキ」の世界化を説き、「ヒロシマ・ナガサキの平和の心」を心とした実践の哲理を示していると述べた。
さらに、「人類の悲願である世界の恒久平和の確立は、互いの人間の奥に光る善性を発見し、民衆と民衆との強い連帯のもとに、人間の心と心のふれあいによってはぐくみ、育てるものである」と力説。その意味から、創価学会青年部の、平和活動と文化の発展のための努力に対し、惜しみない賛辞と拍手を送りたいと語った。
また、本島市長は、一九五七年(昭和三十二年)、戸田城聖第二代会長の「原水爆禁止宣言」以来、学会が被爆証言集の出版や核廃絶の署名など、長年にわたり、平和の建設に取り組んできたことを高く評価した。