名字の言

〈名字の言〉 2021年12月5日 6歳の男児が詩人・谷川俊太郎氏に質問した。「ぼくはおっぱいがだいすきです。

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6歳の男児が詩人・谷川俊太郎氏に質問した。「ぼくはおっぱいがだいすきです。おっぱいのなかにはしあわせがつまっているとおもいます。谷川さんはなにがはいっているとおもいますか?」▼この問いに氏は、“ぼくは、生きる力が入っていると思います”と答えた(『星空の谷川俊太郎質問箱』ほぼ日)。乳児と会話はできない。だが、言葉以上に伝わる母の愛情から、生きる力が育まれるのだろう▼岡山市の女性部員には、重度の聴覚障がいがある2人の娘がいる。娘たちの耳に、母の声は聞こえない。それでも母は声を掛けた。「いい子だね」「大丈夫よ」。夜泣きをして、朝方に寝入った娘のそばで、慈愛の題目を唱えることもあった▼その後、2人は人工内耳手術に成功。先日、小学5年の妹が書いた作文が市の「障害者週間」作品コンテストで最優秀賞に輝いた。障がいがある人に自分は「はずかしがらず勇気をもって声をかける」と文中に。娘の“心の世界”に母の声は届いていた▼池田先生は「『育児』は『育耳』と言われる。子どもの耳に豊かな言葉を聞かせることが成長の力になる」と。温かな声が心を動かし、人生を変えていく。未来部勝利月間が始まった。宝の友に励ましの声を届けよう。(子)