
池田先生ご指導


煩悩は仏の智慧としての般若に、悪業の連鎖を形づくってきた業は仏の自在無礙の解脱の働きに、そして苦に満ちた凡夫の生命は法身という究極の真理の当体へと、それぞれあらわれるのである。

無始の昔からの積もり積もった罪障を、いまこの一生で消滅しようというのであるから、さまざまのものが出てくるのは当然である。

宗教の誤りほど恐ろしいものはない。知らずしらずのうちに、生命の奥深く入りこんでいく。しかも、いったん、そこに住所を構えるや、根強く、そこに永住し、その人の清浄な生命をおおいかくす。さらに生命力を弱め、あるいは貧瞋癡の三悪道、四悪趣の働きを増し、正常な思考能力を狂わし、正しい生活のリズムを破壊し、やがて奈落の底へ突き落とすのである。

『人格(運)が変われば運命が変わる』 『運命が変われば人生が変わる』

しかも今世で仏界を固めきれば、それが永遠に続くのです。

たとえ地獄の底であろうと、題目の力によってそこが寂光土に変わる。ゆえに絶対に勝利の人生を生きられるのである。

その証拠として、その人の心中には大きな波乱が起こり、動揺を始める。それは、これまで、仏性が目覚めることもなく、ただ平穏に貪瞋癡ないし、第六天の魔王が支配していたところへ、初めて仏性が覚醒したのである。

しかし、真心からの声は種となって、相手の命の大地に蒔かれている。いつか必ず花開く時が来るのだ。 最高の仏道修行に励む誇りに胸を張り、賢く朗らかに進んでいただきたい。
