信心は命をかけても悔いがない。
わたしは、「何故、不惜身命で信心をしなければならないのでしょう」と質問した。戸田先生は、こうおっしゃった。「この地球上で、軍人は人を殺しあう。経済は弱肉強食の世界で、人を幸福にするとは限らない。医者や弁護士、役人は本来は人を救う立場だが、反対に人を見下し、利用している輩も多い。その他、政治、科学、教育、宗教――とにかく人間の業というか、社会は複雑で、すべてが矛盾だらけである。どこにも万人の幸福への根本的な道はない。そのなかで、日蓮大聖人の仏法だけは、人間の根本的な宿命転換の方途を示されている。常楽我浄と、永遠の所願満足への軌道を教えてくださっている。これ以上の究極の人生の道はない。だから信心だけは命をかけてやって悔いがないのだ」と。私は納得した。納得したゆえに、身を惜しまず私は進んだ。それが青年である」