- 御 文
- 此の経をききうくる人は多し、まことに聞き受くる如くに大難来れども憶持不忘の人は希なるなり、受くるは・やすく持つはかたし・さる間・成仏は持つにあり
(四条金吾殿御返事、1136ページ)
- 通 解
- この法華経を聞き受ける人は多い。しかし、実際に聞き受けた通りに大難が来た時に、此経難持の教えを常に心にとどめて忘れない人(憶持不忘の人)はまれである。「受ける」ことは易しく、「持つ」ことは難しい。ゆえに、成仏は持ち続けることにある。
同志への指針
打ち続く苦難に思わず弱音をもらした四条金吾への激励の御聖訓である。「此の経は持ち難し」――信仰を貫く勇者が忘れてはならぬ覚悟だ。
この師匠の仰せのままに奮い立ち、負けじ魂の勝利の実証を示していった。これが金吾の「人間革命」である。
信心は、何があろうと持ち通す挑戦だ。良き同志と励まし合い、不退の勇気で、一生成仏の境涯を開きゆくのだ。