皆さんも常日ごろから学んでいる通り、勤行の際に南無妙法蓮華経の題目を唱えることを「正行」といい、方便品・寿量品の読誦を「助行」という。
この「正行」と「助行」の関係について、日寛上人は、米やソバを食べる(正行)時に、塩や酢が調味料として使われて味を助ける(助行)ことに譬えておられる。「正行」の功徳は広大です。そのうえで、「助行」は「正行」の功力を増し、促進する助縁の働きをもっている。
「正行」である唱題を根本として、方便品・寿量品の読誦を「助行」とするのが、私たちの勤行の基本的な在り方なのです。
題目の功徳は無量無辺です。たとえ一遍の題目でも、無限の力がある。
「一遍此の首題を唱へ奉れば一切衆生の仏性が皆よばらて 爰に集まる」(聖愚問答抄p498)と仰せです。また、題目を一遍唱える功徳は法華経を一部読む功徳と同じであり、十遍は十部、百遍は百部、千遍は千部読んだのと同じ功徳だと仰せの御書もある。
したがって、病気の時などは、必ずしも経文を読誦する必要はありません。無理をして、よけい体調を悪くするようなことがあれば、かえって信心の歓喜を消し、反価値になってしまいかねない。
そのような時は、唱題だけという場合もあるでしょう。
仏法は道理ですから、常に歓喜あふれる勤行ができるよう、一人一人が賢明に判断していけばよいのです。