友とじっくり語り合う中で、さまざまな悩みを打ち明けられることがある。いつの時代も最も多いのは、職場や地域での「人間関係の悩み」だ▼医師で作家の鎌田實氏は、最近の傾向として“一方的なコミュニケーション”が増えていると本紙で指摘していた。例えば、自分の考えを押し通そうとしたり、用件だけを伝えようとしたり▼しかし、それではうまくいかない。「苦手な人とコミュニケーションを取るのは大変ですが、それによって自分も触発を受け、成長できます。双方向のコミュニケーションを通じて、“自分が変わっていく過程”を楽しんでいければいい」と▼ある婦人は18年間、未入会の義母を介護した。義母の勝ち気な性格もあり、しばしば衝突。思い悩んで婦人部の先輩に相談すると、「相手を変えるのではないの。あなた自身が変わると決めて祈るのよ」と激励され、ハッとした。祈りを重ねる中、徐々に相手の気持ちに寄り添えるように。後に、義母は信心を始めたという▼御書に「浄土と云ひ穢土と云うも土に二の隔なし只我等が心の善悪によると見えたり」(384ページ)と。心が変われば全てが変わる。“まず自分が変わろう!”と決めた瞬間、人間革命のエンジンは動きだす。わが一念の転換こそ人生勝利の原動力である。(堯)