また、十界互具の原理によっても、このことは明らかであります。瞬間瞬間、生命は変わっていく。停滞することをしらない。仏界という生命も、御本尊を受持し、唱題している状態から離れれば、すぐに冥伏して消えてしまうのであります。永年、信心強盛で大幹部になったとしても、この御本尊から離れ、題目をとだえさせてしまうならば、電流のスイッチを切るのと同じように、仏界は冥伏してしまう。もうなんの力もなくなってしまう。だが、これを生涯実践しぬくことによって、自己の生命の基調を仏界としていくことができる。千里の道も一歩よりで、刹那成道、即身成仏の瞬間瞬間の積み重ねによって、汝自身の生涯を貫く基調として仏界を確立しきっていくことが、一生成仏という原理になる、と私は思う。