小説「新・人間革命」

〈小説「新・人間革命」〉 誓願 七十 2018年6月18日

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 同志葬、友人葬について、ある学者は、次のような声を寄せた。
 「日本の葬儀に革命的ともいえる変革をもたらすもの」「時代を先取りしているだけに、一部、旧思考の人びとから反発されるかもしれないが、これが将来の葬儀となり、定着することは明らかである」「三百年かかって日本に定着した檀家制度を、わずか三十年で、もう乗り越えようとしている学会の発展とスピードは奇跡的である」
 各地の学会員は、第一次宗門事件後、再び宗門の権威主義という本性が頭をもたげ始めたなかで、仏法の本義に基づく平成の宗教改革に立ち上がった。
 そして、宗門が学会に出した「解散勧告書」を契機に、改革への同志の思いは奔流となってほとばしった。それは、日蓮大聖人の正法正義に背き、広宣流布の和合僧を破壊しようとする、阿部日顕の法主退座を要求する署名運動となっていった。
 11・18「創価学会創立記念日」を前にして、署名は、わずか十日足らずで、五百万人に至る勢いであった。その広がりは、学会への理不尽極まりない仕打ちに対する、同志の怒りの大きさを物語っていた。
 同時に、創価の宝友には、大聖人の“民衆の仏法”が世界に興隆する時が来たとの強い実感があった。それは「三類の強敵来らん事疑い無し」(御書五〇四ページ)の御金言が、現実となったことによるものであった。
 学会は、三類の強敵のうち、俗衆増上慢、すなわち仏法に無知な在家の人びとによる悪口罵詈等の迫害を、数多く受けてきた。また、道門増上慢である、真実の仏法を究めずに自分の考えに執着する僧らの迫害もあった。
 しかし、聖者のように装った高僧が悪心を抱き、大迫害を加えるという僭聖増上慢は現れなかった。ところが今、法主である日顕による、仏意仏勅の広宣流布の団体たる創価学会への弾圧が起こったのである。まさに、学会が、現代において法華経を行じ、御金言通りの実践に励んできたことの証明であった。