先日行われた第66回「全日本吹奏楽コンクール」。音楽隊の創価グロリア吹奏楽団・関西吹奏楽団、創価大学パイオニア吹奏楽団が各部門で“日本一”の「金賞」に輝いた▼中でも、創大パイオニア吹奏楽団は全国大会の出場自体が11年ぶり。受賞の瞬間、誰よりも感激の涙を流して喜んでいたのは、出演者を支え続けたスタッフだった▼同楽団ではコンクールに出場しないメンバーは楽団の“裏方”を担う。彼らは日頃の練習の準備や後片付け、楽器の運搬だけでなく、積極的な声掛けや励ましで楽団を盛り上げ、心一つに団結する雰囲気づくりに努めてきた▼全国大会の1週間前、その彼らが出演メンバーを招待し、“サプライズ”で壮行会を開催。思いを込めた演奏で仲間を送り出した。彼らの一人が語る。「私たちは“日本一のサポート”で楽団を支えようと誓い合ってきました。仲間の勝利を信じ、自らの役割に徹した日々は、胸を張って語れる大切な思い出です」。その心に応えるように、出演者は大会当日、全員が楽譜に、サポート・メンバーの集合写真を貼って舞台に臨んだ▼“自分は一人ではない”と思える仲間の存在がどれほど大きな力になるか。出演者も支える側の友も、会心の笑顔で健闘をたたえ合う姿に教えられた。(湧)