「現実と格闘し、ひたむきに生きる姿に感銘しました。信仰を持つ人の強さを感じます」。先日、宮崎市内で行われた創価青年大会で、来賓の一人が語っていた▼大会では2人の青年部員が体験を発表した。ある女子部員は、父の病を機に介護福祉士に。だが多忙な勤務の中で体調を崩し、退職。苦境の彼女を支えたのは同志だった。「先輩方がいなければ今の自分はありません。今度は私が励ます側になりたい」。現在、再就職先で奮闘する一方、女子部部長として友の激励に率先する▼10代の頃、荒れた生活を送っていた男子部員は事故で瀕死の重体に。再起を祈る家族の姿に発心した。父は信心根本に生きるわが子を喜びつつ、数年前に他界。先日、彼は社員2万人の企業の中でトップの営業成績を収めた。「断じて信心の実証を示す。それが父への恩返しだと決めていました」▼2人に共通するのは「感謝」の心だった。恩を忘れない人は強い。“誰かのため”という志が環境に負けそうな自分の支えになる。一方で、自分のためにだけ生きる人は、移ろう感情に揺り動かされ、強いようでもろい▼日蓮大聖人は「必ず四恩をしって知恩報恩をいたすべし」(御書192ページ)と。支えてくれた人のために――そこから無限の力と勇気は湧いてくる。(誼)