この指導によって、信心の自覚を生じさせよう、生涯の仏道修行の活力にしよう、という確信が、いっさいの指導の根本になる。
「師弟」「師弟」と口で言うのは簡単である。
歓喜もなく、決意もなく、連絡事項を伝えて終わりーそれではせっかく来てくれた皆さんに申し訳ない。集った友が「やろうじゃないか」「戦おうじゃないか」と燃え上がって帰っていくような会合にしていく。それが幹部の使命である。
順調な時ほど、調子に乗ってはいけない。勝ち誇って酔い痴れることは、すでに敗北の兆しである。驕り高ぶった慢心から、衰亡が始まるのだ。いつしか苦労知らずになり、恩知らずになれば、増上慢に狂い、油断におかされてしまう。「師子は油断せず」この一点を、指導者は心に刻みつけていくことだ。
何人の人の発心の原点をつくることができたか──リーダーは常に、自身にそれを問うことだ。