「自他共の幸福」の連帯を地域へ
本日は、6カ国・地域から、81人のSGIメンバーも参加されております。遠いところ、ようこそお越しくださいました。心から歓迎申し上げます。
一、さて、ロシア連邦の新たな駐日大使として本年3月に着任したミハイル・ガルージン大使が、先月、総本部に来訪されました。
会見の冒頭、就任に対する池田先生の祝意をお伝えすると、大使は「創立者を深く尊敬しています。ますますのご健勝を祈っています」と語っておられました。
終始、池田先生を「創立者」と、敬愛の念を込めて呼ぶガルージン大使は、かつて約1年間、創価大学に留学。自ら「創価大学は私の第二の母校です」と語る“創大生”です。
先生と2007年に再会した際も、親子のごとく、ざっくばらんに語り合っておられました。
このガルージン氏が、池田先生を深く知ることになったのは、1981年、先生の第3次訪ソの折です。この時、学会代表団の通訳を務めてくださったのが、当時、地元モスクワ大学の4年生だったガルージン氏でありました。
氏は、池田先生の人間外交を目の当たりにする中で、先生に深く魅了されていきました。とりわけ、先生が無名戦士の碑に花をたむけ、平和への祈りをささげる姿に、「わが国の戦争の痛みをも深く理解してくださるのか」と大感動したそうです。そして翌82年、ガルージン氏は創価の学びやの門を、たたいたのであります。
ガルージン大使は語っています。
「世界平和に尽くされる池田先生の姿が、私の外交官としての原点です」
「創価大学で学んだ日本の、またロシアの青年が現在、露日関係のさまざまな分野で活躍しています。その人材を育てられたのは、事実上、池田先生です。『人材育成』こそが、池田先生の露日関係への最大の貢献であると私は思います」と。
思えば、同じく先月、中国・李克強首相の歓迎レセプションにおいて同席されていた程永華駐日中国大使も75年、日中国交正常化後、初めての日本への国費留学生として、創価大学に学びました。その受け入れは、池田先生ご自身が身元保証人になってのものでありました。
以来、約半世紀を経て、日露関係、日中関係が共に重大な局面にある今日、その中核中の中核を、共に創大出身者が担っているのです。
この動かしがたい事実こそ、池田先生の類いまれなる先見の明、そして創価の人間主義の普遍性を、何よりも物語っていると確信します(拍手)。
一、実は、中国やソ連からの留学生を創価大学に受け入れた際、関係者の一部から“マルクス・レーニン主義が学内に、まん延するのではないか”と心配の声が上がりました。
しかし池田先生は、そのような懸念など歯牙にもかけず、こう語られました。
「留学生を大使だと思って、誠意を尽くしていこう」
そして先生は、有言実行で食事や生活環境まで細心の注意を払われていました。例えば、このようなこともありました。
程永華氏をはじめとする留学生を受け入れた当時、私は学会の学生部長を務めていました。留学生は全員が日本人学生と共に寮生活を送るのですが、ある日のこと、私は先生から、同室になる学生部員に伝えるようにと、ご伝言をお預かりしました。
そのご伝言とは、「標準語で話すように」というものでした。この時代、創大の寮には関西弁を話す学生が多くいました。そこで先生は、“必ずや将来、日中外交の大舞台で働くであろう留学生たちが、標準語を早く覚えられるように”との真心から、このご伝言を託されたのです。私自身、“ここまで先生は心を砕いておられるのか”と驚きました。
どこまでも相手を尊敬する。そして「これほどまで」というぐらいに、こまやかな配慮をめぐらし、具体的な行動で、その心を示していく。そうした大誠実の振る舞いこそ、人間外交の根本であります。誠実さによって、いかなる相手も心を開くのです。
御書には「法華経を耳にふれぬれば是を種として必ず仏になるなり」(552ページ)と明確に仰せです。
池田先生が若き留学生たちを「大使」と思って厚く遇されたように、私どもは縁する全ての友を「仏」と確信して、その無限の可能性を信じ抜き、その幸福を祈り抜き、そして粘り強く仏法を語り抜いていきたい。
その労苦は、友人のためであるのはもちろん、そのまま自身の福運と光り輝きます。
それは、戸田先生が「広宣流布のために会い、勇敢に、誠実に仏縁を結んだ人は、未来において、その人が必ず自分の眷属となり、諸天となって、自分を護り支えてくれるようになるのだ」とご指導されている通りです。
私どもは、「自他共に喜ぶ」幸福の連帯を、ますます広く地域に広げていきたい。
一、いよいよ上半期も、残り1カ月あまり。教学部任用試験(仏法入門)も目前に迫りました。
ここで今一度、一人一人が、「広宣流布大誓堂完成5周年」を迎える本年に掲げた目標や決意を、新たにしていきたい。
そしてともどもに、最後まで諦めることなく戦い切り、大前進、大成長、大勝利の、悔いなき上半期にしていこうではありませんか(拍手)。