【御書本文】
普とは諸法実相迹門の不変真如の理なり、賢とは智慧の義なり本門の随縁真如の智なり(御義口伝巻下 p780 n1084)
【通解】
(普賢菩薩の)「普」とは諸法実相を意味するから、迹門の不変真如の理を表す。「賢」とは智慧の義であるから、本門の随縁真如の智を表すのである。
【先生の指導から】
法華経の哲学では、物事の真実へのアプローチとして、「随縁真如の智」と「不変真如の理」という二つの側面を説いております。
端的に言えば、「随縁真如の智」とは、縁にしたがって湧き出ずる自在の「智慧」であり、「不変真如の理」とは、永久に変わらぬ絶対の「真理」を意味しています。
とくに日蓮仏法では、前者の「随縁真如の智」のほうを格段に重視しています。「真理」がいかに正しくとも、それ自体では価値創造につながりません。現実社会の上でその正しさが立証されなければ“絵に描いた餅”になってしまいます。ゆえに、その「真理」を現実との格闘のなかで価値創造につなげていく「智慧」が大切になってきます。