『ダイサク・イケダ――希望と幸福のチャンピオン』。インド・ガンジー研究評議会議長のN・ラダクリシュナン博士の最新刊である。先日、シンガポールで出版発表会が行われた▼博士が著した池田先生に関する書籍は、これで17冊目。「詩の世界」「人間教育」「女性の内発的な力の開花」など、テーマは多岐にわたる▼なぜ書き続けるのか――発表会の席上、博士は先生を“大きな山”に例えた。「山は、その一部を見ているだけでは分かりません。私は池田先生という偉大な山の全容を世界に知らせたいのです」。用意したスピーチ原稿は使わず聴衆を見つめ、身ぶり手ぶりを交えて語る博士。その姿から“真実を伝えずにはおかない”という情熱が伝わってきた▼博士が研究する非暴力運動の指導者ガンジーも言論の闘士だった。獄中にあっても、新聞に自叙伝を連載し、民衆を鼓舞した。一日平均100通の手紙をつづったともいわれる。インド独立を訴える論文を書いた時には、利き手である右手が疲れると、左手にペンを持ち替え、書き続けた▼ガンジーは言った。「人間の強さとは、肉体的な能力によるものではなく、不屈の精神力によるものである」。大いなる理想のために、書き続ける不屈の魂に永遠の青春の輝きがある。(湧)