題目の力はすごい。無限である。妙法は宇宙の根本の法であり、題目は生命の根源のリズムである。広布をめざし、題目を朗々と唱えゆくところ、生命の威光勢力は無量に高まり、無辺に広がっていく。
「御義口伝」には、法華経・五百弟子受記品の「貧人此の珠を見て 其の心大いに歓喜し」の文について、こう説かれている。
「此の文は始めて我心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」と。
――この経文は、「貧なる人」すなわち妙法を信じていない一切衆生が、「此の珠」すなわち題目、御本尊を受持した結果、はじめてわが生命が本来、仏であると自覚する、これを大歓喜と名づけるのである。すなわち南無妙法蓮華経と唱えることは、歓喜のなかの大歓喜である――。
他の喜びは浅く、また、たちまちのうちに消え去る。妙法を唱え、わが身に仏の生命を涌現していくとき、いのちの奥底からの歓喜に五体は躍動する。これこそ、崩れざる真実の幸福感である。