仏教とは何か、という問いに明確に答えうる視座が、いまほど必要なときはない。日蓮大聖人は端的に「八万四千の法蔵は我が身一人の日記文書なり」と述べられ、仏教とは、一個の人間の生命を解き明かしたものであると断言されている。
ある宗教の説くところが、かならず実証されて、時と、所と、環境とを問わず、ただ一つの例外もなく実証されるならば、その宗教の説く「教」は、すなわち「法則」であり「真理」であるといわなければならない。
生活の面において、幸福になるといったら、かならずその人にとっての、幸福の現象を享受する。
不幸になるといったら、かならず不幸を感ずるという力強い宗教、これはすなわち法則であり、もっとも科学的であり、吾人をはじめ現代の人々の欲求するところでなければならない。