学び、そして戦う人生たれ
本年は、創立者・池田先生の「日中国交正常化提言」発表から50周年。日中平和友好条約締結からは40周年に当たる。半世紀に及ぶ両国友好への貢献をたたえ、中国各界から先生に贈られた顕彰は、枚挙にいとまがない。百年以上の伝統を誇る名門・華中師範大学から「名誉教授」称号が授与されたのは、2005年6月17日。式典で謝辞を述べた先生は、同大学が時代に先駆けて「学生奉仕」に徹してきた事実に言及。創大の学生中心の精神を確認するとともに、人生も学問も、あらゆる戦いは「執念」で決まると訴えた。
学生のためにこそ、大学はある。教育はある。ゆえに、教員は心から学生を大切にすることです。学生を尊重していくことです。「わが子」以上に、「学生」に愛情を! 「わが親」以上に、「学生」に尊敬を! ここに徹した人が本当の教員です。
教員の誠実な心に包まれて育った学生は、どこか違う。その真価は、すぐには発揮されないかもしれない。しかし、社会に出てから分かる。良い教員と出会ったかどうかが、学生の人生を決めると言ってもいい。それほどに、教員の存在は大事なのです。
私も、19歳で戸田城聖先生の弟子となり、先生の「戦う執念」を、すべて身につけました。先生と学会が絶体絶命の苦境の時も、「断じて負けない!」「最後に勝ってみせる!」と決めて戦い、勝ってきた。そうして、今日の世界的な創価の連帯が築かれたのです。
一時の名声や肩書で、勝負は決まりません。スポーツであれ、実社会であれ、どんな分野であれ、執念を持った人間が最後には勝っている。執念の人間には、かなわないのです。では「執念」とは何でしょうか。「忍耐強く耐え抜くこと」は、重要であるけれども、まだ受け身です。
さらにもう一重、強く深く「執拗なまでに攻め抜くこと」――これを執念と言うのです。ここにこそ、勝利の活路は、必ず開けるのです。
辛亥革命の電源地となった武漢に立つ華中師範大学。馬敏学長(当時)は、「人間」に光を当て、激動の中国近代史を研究してきた著名な歴史学者であった。先生は、自身も小説に民衆史をつづってきた事実に触れ、歴史を動かすのは「人間の力」であると強調。また同大学の卒業生で、若き日の周恩来総理と共に革命闘争に身を投じた惲代英氏の言葉「山が高くとも、登っていく限り、必ず頂上を極めることができる。道が遠くとも、進んでいく限り、必ず到達できる」等を紹介し、「信念」と「勇気」に生き抜く人生をと語った。
どんなに人がいても、烏合の衆では力にならない。偉大な人間がいるかどうかです。偉大な人間がいれば、平和な社会も、豊かな社会も、実現できる。
学び、そして戦う。それでこそ、学生です。“学び、そして遊ぶ”が今の風潮かもしれないが、どうか皆さんは、「学び、そして戦う」「探究し、そして行動する」という、誉れの青春の道を歩み抜いてください。
学問に励むことは、もちろん重要です。しかし、勉学に専念していれば、それで十分というわけではない。
社会のため、人々のために、何か行動を起こしていくのです。勇敢に闘争していくのです。そこで得られた経験は、必ずや自らの学問と結びつき、自身の貴重な力となっていきます。その青春にこそ、英知と正義が光り、快活と充実がみなぎっていくことを知ってください。
現実社会を見れば、人を苦しめ、悩ませ、不幸にさせゆく悪が満ちています。この世は、善と悪の戦いです。その悪を滅しゆく善の戦いを教えていくのが、教育の役割なのです。
小さな、つまらない人生を生きてはならない。どうか皆さんは、大きな使命のために、大きな悩みを持ちながら、大きな自分をつくり、大きな歴史を残してください!
これが創価大学の精神だと思うが、どうでしょうか!