女子部の幹部が質問した。
「私の母は信心していないので、家に帰り、母と顔を合わせると、歓喜が薄らいでしまいます。どのようにすればよいでしょうか」 「家のなかを明るくするために信心しているのに、あなたが暗くなってしまったら、意味がないではありませんか。また、お母さんを信心させたいと思うなら、あなた自身が変わっていくことです。『そもそも仏法とは……』などと、口で偉そうに語っても、お母さんから見れば、いつまでも娘は娘です。ですから、そんなことより、お母さんが、本当に感心するような、優しく、思いやりにあふれた娘さんになることの方が大切です。
たとえば、本部の幹部会で東京に行った時など、お土産を買って帰るぐらいの配慮が必要です。また、家に帰ったら、『ただ今帰りました。ありがとうございました』と、素直にお礼を言えるかどうかです。信心といっても、特別なことではありません。あなたの日頃の振る舞い自体が信心なんです。
お母さんから見て、“わが子ながら本当によく育ったものだ。立派になった”と、誇りに思える娘になれば、必ず信心しますよ。お母さんの心に、自分がどう映るか――それが折伏に通じるんです」 (「勇舞」の章)