昭和二十年に出獄されてご自宅に戻られた時、直ちに御本尊を間近に拝して、ご自身の悟達が間違いないことを確認されている。
「彼は、御本尊に頬をすりよせるようにして、一字一字たどっていった。たしかに、このとおりだ。まちがいない。まったく、あの時のとおりだ。彼は心につぶやきながら、獄中で体得した、不可思議な虚空会の儀式が、そのままの姿で御本尊に厳然として認められていることを知った。彼の心は歓喜にあふれ、涙は滂沱として頬をつたわっていった。彼ははっきりと叫んだのである。
「御本尊様、大聖人様、戸田が必ず広宣流布をいたします」