学会活動は、現代における最高の仏道修行です。仏道修行というのは、己との対決であり、自分の限界を打ち破って、心を強く、大きくし、境涯を開いていくためのものです。
〈第29巻「常楽」の章〉
1978年(昭和53年)10月、ハーバード大学名誉教授のジョン・K・ガルブレイス博士との会談を終えた山本伸一は帰国後、激務の合間を縫って新婦人部歌「母の曲」など次々と学会歌を制作。宗門事件の嵐が吹き荒れる中、けなげな同志を心からたたえつつ、生涯、広宣流布に生き抜き、常楽我浄の人生を飾ってほしいと励ましを送る。
経済苦や家庭の不和、家族の病など宿命に翻弄されるだけの生活ではない。“自分さえよければいい”というような、心の狭い生き方でもない。
一家のため、地域のため、広布のためにとの誓いを立て、同志と共に広宣流布に生き抜く中に、「生老病死」の苦しみの生命を、「常楽我浄」という最高の喜びの生命へと変える人生があることを、池田先生は教えてくださっています。
その先生の指導を真っすぐに実践された婦人部の先輩方がおられたからこそ、今日の学会の大発展があることは言うまでもありません。私自身、そうした先輩方にどれほど信心の基本を教えていただき、また支えていただいたことでしょうか。
「母の曲」の歌詞の1番に「幼子抱きて 汗流し」とありますが、わが子を抱えて奮闘する婦人部を取り巻く状況は、大きく変化しています。核家族化が進み、共働き世帯も増える中、子育てをしながら学会活動に挑戦することは、決して簡単なことではありません。
また、シングルマザーの方や、お子さんがおられないご家庭など、“家族のカタチ”も多様化している現代だからこそ、これまで以上にお一人お一人の置かれた状況の理解に努め、寄り添い、皆で励まし合いながら進んでいくことが大事です。
その上で、どうすれば誰もが悠々たる幸福境涯を築くことができるのか――先生は、「“人生の根本目的は広布にあり”と決めることだ」と、つづられています。
「広宣流布のために、“健康になります。健康にしてください”“経済革命します。経済苦を乗り越えさせてください”“和楽の家庭を築きます。築かせてください”と祈りに祈り、学会活動していくのである。広布誓願の祈りは、仏、地涌の菩薩の祈りであり、それゆえに諸天を、宇宙の一切を動かしていく」と。
時代は変わっても、この学会精神は変わりません。婦人部「実践の五指針」の第一に「祈りからすべては始まる」とある通り、唱題根本に一家を地域を和楽へリードしながら、生き生きと後継の人材を育んでいきます。