小説「新・人間革命」

〈小説「新・人間革命」〉 誓願 百三十六 2018年9月5日

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 法悟空 内田健一郎 画 (6466)

 十二月七日、山本伸一は、香港中文大学からの学位授与式に臨み、同大学で日本人初となる名誉社会科学博士号を受けた。彼は、一九九二年(平成四年)には同校の「最高客員教授」となっており、その時、「中国的人間主義の伝統」と題して講演も行っている。
八日、伸一は帰国の途に就いた。香港から向かったのは、常勝の都・関西であった。彼が会長に就任して、真っ先に訪れたのが大阪である。二十世紀の地方指導の最後も大阪で締めくくり、一緒に二十一世紀への新しい扉を開きたかったのだ。皆、伸一と苦楽を共にし、不屈の魂を分かち合う同志である。
常勝の友の顔は、生き生きと輝いていた。
十日、伸一は関西代表者会議に出席した。
いよいよ「女性の世紀」であり、「関西が、その模範に!」と期待を寄せ、「壮年部は男子部と一体になり、婦人部は女子部と一体になって、青年を守り、愛し、励まし、育てていっていただきたい」と呼びかけた。
十四日には、二十一世紀への旅立ちとなる本部幹部会が、関西代表幹部会、関西女性総会の意義を込めて、大阪・豊中市の関西戸田記念講堂で開催された。
「明二〇〇一年(同十三年)から、二〇五〇年へ、いよいよ『第二の七つの鐘』がスタートします!」
伸一は、新しい「七つの鐘」の構想に言及し、民衆のスクラムで、二十一世紀を断じて「人道と平和の世紀」にと呼びかけた。
また、世界で、女性リーダーの活躍が目覚ましいことを紹介した。
「今、時代は、音をたてて変わっている。社会でも、団体でも、これからは女性を尊重し、女性を大切にしたところが栄えていく。
大聖人は『女子は門をひら(開)く』(御書一五六六ページ)と仰せです。広宣流布の永遠の前進にあって、『福徳の門』を開き、『希望の門』を開き、『常勝の門』を開くのは、女性です。なかんずく女子部です」
麗しき婦女一体の対話の拡大、励ましの拡大は、二十一世紀の新たな力となった。