学ぶ誇り! 生命の大歓喜を
先師・牧口常三郎先生が誕生した6月が巡り来る。先生が57歳の年(昭和3年)に、広布の戦いを開始されて、今年で90周年となる。
仏法対話の折に、先生がよく語られた一言がある。「信仰に入るのではない。信仰の世界へ出るんだよ」
すなわち、正しい信心とは、狭く堅苦しい形式に閉ざされることではない。苦しみの流転を断ち切って、心も広々と、歓喜と福徳の世界へ自由自在に羽ばたいていくことなのである。
この希望と幸福の価値創造の翼を、万人が広げてもらいたい――これが、牧口先生の願いであった。みずみずしい青葉の季節、教学部任用試験へ研鑽する友の姿を、先生も笑顔で見守られているに違いない。
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「生老病死」の苦悩は、誰人も免れない。どう向き合い、どう打開していくか。
この人類の最も本源的な探求から、仏法は生まれた。ゆえに全ての人に開かれた生命の哲理といってよい。
私が対話を重ねた世界の知性も、トインビー博士をはじめ皆、生死という根本課題を真摯に見つめ、解明の智慧を求めておられた。だからこそ、仏法の生命観に深い共鳴を寄せられたのだ。
今、「仏法入門」と銘打たれた任用試験には、新入会の友はもちろん、多くの会友の方々も、多忙な中、勇んで挑戦される。内外を問わず、「十界」「宿命転換」の法理や「日蓮大聖人の御生涯」などへの感銘の声を、うれしく頂く昨今である。
御義口伝には、「喜とは自他共に喜ぶ事なり」「自他共に智慧と慈悲と有るを喜とは云うなり」(御書761ページ)と仰せである。
共に学び、教えてくれる方々にも、感謝は尽きない。受験する方も応援する方も「生命尊厳」と「人間尊敬」の最極の哲学を学ぶ誇りに胸を張っていただきたい。智慧と慈悲のスクラムで、「常楽我浄」という生命の大歓喜を地域に社会に漲らせていくのだ。
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98年5月、念願の韓国SGI本部を訪問した私は、世界に先駆して「21世紀の仏法ルネサンス」を進め、社会に奉仕し、人間性を広げゆく韓国の宝友を讃えた。
満20年になる今月、韓国と日本の青年部が意義深い交流を刻んでくれた。妙法で結ばれた若き地涌の連帯こそ、平和の希望だ。
生涯、正義を貫かれた牧口先生の如く、我らは、太陽の仏法の光で世界を照らしゆこう!