その証拠として、その人の心中には大きな波乱が起こり、動揺を始める。それは、これまで、仏性が目覚めることもなく、ただ平穏に貪瞋癡ないし、第六天の魔王が支配していたところへ、初めて仏性が覚醒したのである。そこで。これらの魔の働きが、仏性を押さえようとし、一方では仏性を助けようとする折伏者に対して、怨をなす。
したがって、折伏して、反対させることは、かえって、逆の方向へ向けさせたように見えることもあるが、事実は、このように、仏性を覚醒したがために、そのような姿を現ずるのであって、大きい前進といわなければならない。
しかも、こうして、いったん目覚めた仏性は、必ず次第に力を得て成長し、ついには、魔の力を打ち破って、その人を妙法に帰依させずにはおかないのである。