A 語り合えば深い友情を育める
信心の素朴な疑問に答える「教学TALK」。今回のテーマは「対話の宗教」。男子部大学校生大会に向けて対話に挑戦している大学校生の山根ニュー・リーダーが、新井男子部本部長と話しています。
【登場人物】
新井男子部本部長 学会3世の37歳。20代半ばまで学会活動をしていなかったらしい。
山根ニュー・リーダー 出版社で働く29歳。今年、男子部大学校に入校した。
山根ニュー・リーダー 友達に仏法を語るのって勇気がいるんですけど、互いの人生観や目標を本気で語り合えるのは「楽しい」って、最近は思うんです。
新井男子部本部長 すごい! 大学校に入って、見違えるように成長したね。
山根 今まで友達と深い話をしたことがなかったので、対話すればするほど、友達と深く「つながる」感じがするんですよ。
新井 その感覚、分かるなあ。メールやSNSなどの気軽な「つながり」も大事だけど、さらに深い友情を育んでいくためには、やっぱり直接会って話をする「対話」が欠かせないよね。そもそも仏教自体、釈尊が友と語り合うところから始まったんだ。
山根 そうなんですか? 仏教って、修行者が一人で静かに瞑想しているイメージでした。
新井 釈尊は、「自分から話し掛ける人」だったといわれている。覚りを開いた釈尊は、その地・ガヤから250キロも離れたサールナート(鹿野苑)まで足を運び、5人の旧友に法を説いた。話に納得した旧友たちは、やがて釈尊の弟子になったんだよ。その後も釈尊は、各地を対話に歩き、人々に法を説き続けた。
山根 まさに、僕たち学会員がやっている対話と同じですね。ていうか、釈尊の行動力がハンパない。
新井 いわば「開かれた対話」こそ、仏教の精神だといえる。日蓮大聖人もまた、一対一の対話によって広宣流布を進めてこられた。多くの門下への激励、時の権力者に対する正義の論戦など、言論の力によって社会を変革しようとされたんだよ。
山根 観念よりも実践、という感じがします。
新井 御書に、「日蓮は、この法門を語ってきたので、他の人と比較にならないほど、多くの人に会ってきた」(1418ページ、通解)とあるように、大聖人は誰よりも多くの人と会い、対話を繰り広げてきたと仰せだ。その精神を現代に受け継いでいるのが、創価学会だよ。世界中の人々と対話を広げてこられた池田先生。そして、率先の対話で励ましの絆を結んできた地涌の同志たち――世界192カ国・地域に広がる幸福の連帯は、まさに一対一の対話によって築かれてきたんだ。
山根 学会は、対話の宗教なんですね。
新井 その通り! 僕たちの対話は、仏縁を広げていくとともに、さまざまな価値観の相手と語り合うことで、自分自身の境涯を大きく開く実践でもある。
先生の指導に、こうある。「お互いが成長し、善き人生を生きるために、胸襟を開いて語り合う。悩める友に寄り添い、同苦し、一緒に壁を破って、勝利の人生を開こうと呼びかける――この生命の触発作業こそが、我らの対話であり、折伏である」。下半期も、どんどん友達と会い、語り、励まして、友情をさらに深めていこう!